100%グループ内取引により生じる含み損益のある資産(譲渡損益調整資産)の譲渡損益については、その資産がグループ外に移転する時まで、譲渡損益の計上を繰延べる。
| 当事者間の完全支配関係がある法人相互の関係 →同一の個人(同族関係者を含む)または外国法人が100%保有する兄弟会社同士  | 
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      同族関係者の範囲
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| 当事者間の完全支配関係 | ||
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| 資産の種類 | 譲渡損益 | ここがポイント | |
| 金銭債権 | 簿価1000万円以上 | 繰延べる | 
      
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| 簿価1000万円未満 | 実現させる | ||
| 棚卸資産 | 実現させる | ||
| 棚卸資産としての土地 | 簿価1000万円以上 | 繰延べる | |
| 簿価1000万円未満 | 実現させる | ||
| 売買目的有価証券 | 実現させる | ||
| その他有価証券 | 簿価1000万円以上 | 繰延べる | |
| 簿価1000万円未満 | 実現させる | ||
| その他の流動資産 | 実現させる | ||
| 有形固定資産 | 簿価1000万円以上 | 繰延べる | |
| 簿価1000万円未満 | 実現させる | ||
| 繰延資産 | 簿価1000万円以上 | 繰延べる | |
| 簿価1000万円未満 | 実現させる | ||
| 無形固定資産 | 簿価1000万円以上 | 繰延べる | |
| 簿価1000万円未満 | 実現させる | ||
簿価50(時価120)の資産を完全支配法人(親会社)に30で譲渡した場合(譲渡法人の仕訳)
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| 別表四 | 区分 | 留保 | 流出 | 備考 | ||||||||||||||||
| 加算 | 譲渡損失の損金不算入 | 20 | 譲渡損失の損金不算入 | |||||||||||||||||
| 加算 | 譲渡益の益金算入 | 70 | 譲渡益の益金算入 | |||||||||||||||||
| 減算 | 寄附金の損金算入額 | ▲90 | 寄附金の損金算入額 | |||||||||||||||||
| 加算 | 寄附金の損金不算入 | 90 | グループ法人税制法人間寄付の損金不算入 | |||||||||||||||||
| 減算 | 譲渡損益調整勘定繰入額 | ▲70 | グループ法人税制資産譲渡損益の繰り延べ | |||||||||||||||||
| 別表五(一) | 区分 | 増減 | 期末残 | |||||||||||||||||
| 親会社株式 | 90 | 90 | 簿価修正 | |||||||||||||||||
| 譲渡資産調整勘定 | ▲70 | ▲70 | ||||||||||||||||||
簿価50(時価120)の資産を完全支配法人に30で譲渡した場合(譲受法人の仕訳)
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| 別表四 | 区分 | 留保 | 流出 | 備考 | ||||||||||||
| 加算 | 受贈益の益金算入 | 90 | 譲渡損失の損金不算入 | |||||||||||||
| 減算 | 受贈益のの益金不算入 | 90 | グループ法人税制法人間寄付の益金不算入 | |||||||||||||
| 別表五(一) | 区分 | 増減 | 期末残 | |||||||||||||
| 資産 | 90 | 90 | ||||||||||||||
被合併法人のA資産(時価800、簿価500)とB資産(時価2000、簿価1300)を簿価で移転させた被合併法人
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| 別表四 | 区分 | 留保 | 流出 | 備考 | ||||||||||||||||||
| 加算 | 非適格の合併等又は 残余財産の全部分配等 による移転資産等の 譲渡利益又は譲渡損失  | 
      300 | A資産譲渡益の益金算入 | |||||||||||||||||||
| 別表五(一) | 区分 | 増減 | 期末残 | |||||||||||||||||||
| 合併法人に簿価移転されるので申告調整不要 | ||||||||||||||||||||||
被合併法人のA資産(時価800、簿価500)とB資産(時価2000、簿価1300)を簿価で引き継いだ合併法人
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| 別表四 | 区分 | 留保 | 流出 | 備考 | ||||||||||||||||||
| 別表五(一) | 区分 | 増減 | 期末残 | |||||||||||||||||||
| A資産 | 300 | 300 | ||||||||||||||||||||
| のれん | ▲1000 | ▲1000 | ||||||||||||||||||||
| 事由 | |
| @ | 譲渡損益調整資産の譲渡、貸倒れ、除却等 | 
| A | 譲渡損益調整資産の適格分割型分割による分割承継法人への移転 (譲受法人と分割法人が完全支配関係にない場合)  | 
    
| B | 譲受法人が公益法人等に移行 | 
| C | 譲受法人が会社更生法または民事再生法の適用を受け、譲渡損益調整資産が評価替えされた場合 | 
| D | 譲渡損益調整資産が災害による著しい損傷により価額がその帳簿価額を下回ることとなつたこと | 
| E | 譲渡損益調整資産が譲受法人で減価償却された場合 | 
| F | 有価証券である譲渡損益調整資産と銘柄を同じくする有価証券(売買目的有価証券を除く)の譲渡 (譲渡損益調整資産としての同一銘柄有価証券の数が限度)  | 
    
| G | 償還有価証券である譲渡損益調整資産に対して償還損益の調整差益もしくは調整差損を計上した場合 | 
| H | 譲渡損益調整資産が連結納税上の時価評価資産に該当し、評価損益を計上した場合 | 
| I | 譲受法人が譲渡法人との間に完全支配関係がなくなったとき (完全支配関係がなくなった日の前日の属する事業年度の処理)  | 
    
| J | 完全支配子会社が解散し、残余財産が確定したとき | 
| 適格合併 | 非適格合併 | |||
| グループ法人税制適用 | グループ法人税制適用外 | グループ法人税制適用 | グループ法人税制適用外 | |
| 譲渡損益調整資産 | 簿価移転 | 簿価移転 | 簿価移転 | 時価移転 | 
| 譲渡損益調整資産以外 | 簿価移転 | 簿価移転 | 時価移転 | 時価移転 | 
| 自己創設のれん認識 | なし | なし | あり | あり | 
| 繰延べられた譲渡損益の最終帰属先 | 合併法人 | 合併法人 | 被合併法人 | 被合併法人 | 
| 被合併法人の欠損金 | 引継ぎ可 | 引継ぎ可 | 不可 | 不可 | 
| 合併法人の欠損金の利用制限 | あり | あり | あり | なし | 
| みなし配当 | なし | なし | 課税 | 課税 | 
| 利益積立金の引継ぎ | あり | あり | なし | なし | 
100%グループ内の法人間において、寄附支出法人は全額損金不算入となり、受領法人は全額益金不算入とする。(従来は全額益金算入)
| 改正対象はコチラ | 従来どおり | |||
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| 寄附金 | 全額損金不算入 | 全額損金不算入 | 寄附金 | 損金算入限度額超過部分だけ損金不算入 | 
| 受贈益 | 全額益金不算入 | 全額益金不算入 | 受贈益 | 全額益金算入 | 
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| 出向元法人P社 | 出向先法人S2社 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
      
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現物配当(現物分配)の場合、従来は配当財産の時価により配当金額を認識し、時価と配当財産の簿価との差額について、配当財産の譲渡益または譲渡損を認識していたが、100%グループ内の内国法人間の現物配当については帳簿価額で承継する。
| 金銭配当 | 現物配当(現物分配) | |||
| 会計上 | 現金預金 | 受取配当金 | 現 物(簿価) | 利益積立金 | 
| 税務上 | 現金預金 | 利益積立金 | 現 物(簿価) | 利益積立金 | 
      
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| 子会社→親会社 | 親会社→第三者 | 合計 | |
| 子会社 | 0 | 2000 | 2000 | 
| 親会社 | 0 | 2000 | 2000 | 
| 合計 | 0 | 4000 | 4000 | 
      
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| 子会社→親会社 | 親会社→第三者 | 合計 | |
| 子会社 | 0 | 0 | 0 | 
| 親会社 | 0 | 4000 | 4000 | 
| 合計 | 0 | 4000 | 4000 | 
| 株式の区分 | 定義 | 益金不算入割合 | 負債利子 | |
| 現行 | 連結法人株式等 | 100% | 控除しない | |
| 改正 | 100%グループ内法人株式 | 配当の計算期間を通して継続して完全支配関係があった他の内国法人の株式 | 100% | 控除しない | 
| 現行 | 関係法人株式等 | 他の内国法人の発行済み株式総数の25%以上を、配当等の支配効力が生ずる日以前6ヶ月以上引き続き所有している株式 | 100% | 控除する | 
| 現行 | 上記以外の株式等 | 上記以外の内国法人の株式 | 50% | 控除する | 

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| 親会社の処理 | 平成22年10月1日以前の子会社解散 | 平成22年10月1日以降の子会社解散 | 
| 子会社株式消却損100 | 損金(100) | 損金不算入 | 
| 貸付金貸倒損失500 | 損金(500) | 損金不算入 (子会社も益金不算入)  | 
    
| 子会社繰越欠損金の引継ぎ | 切捨て | 700 | 
| 親会社の損金 | 600 | 700 | 
| 解散前子会社BS | A | B | C | 節税ロジック | 
| 親会社借入金 | 1000 | 1000 | 1000 | @子会社を清算する場合は特別清算をする。 A(子会社貸付金+子会社株式)>子会社の青色欠損金 →事前に完全支配関係を解消しておく。 B(子会社貸付金+子会社株式)<子会社の青色欠損金 →事前に完全支配関係を構築しておく。  | 
    
| 外部借入金 | 0 | 0 | 1000 | |
| 資本金 | 2000 | 2000 | 2000 | |
| 剰余金 (青色欠損金=1000)  | 
      ▲3000 | ▲1000 | ▲4000 | |
| 合計 | 0 | 2000 | 0 | 
| 解散 | 親会社の債権放棄は寄附金処理の場合 | ||||||
| 100%子会社 | 80%子会社 | ||||||
| A | B | C | A | B | C | ||
| 子 | 益金不算入 | 益金不算入 | 親借入益金不算入 外借入益金算入  | 
      益金算入 | 益金算入 | 益金算入 | |
| 親 | 青色欠損金▲1000 | 残余財産の配当 | 0 | 子会社株式消滅損失▲1600 | |||
| 計 | ▲1000 | 0 | 0 | ▲1600 | ▲1600 | ▲1600 | |
| 親会社の債権放棄は損金算入の場合 | |||||||
| 100%子会社 | 80%子会社 | ||||||
| A | B | C | A | B | C | ||
| 子 | 益金算入 | 益金算入 | 
      益金算入 | 益金算入 | 益金算入 | 益金算入 | |
| 親 | 貸倒損失▲1000 | 貸倒損失▲1000 残余財産の配当  | 
      貸倒損失▲1000 | 貸倒損失▲1000 子会社株式消滅損失▲1600  | 
    |||
| 計 | ▲1000 | ▲1000 | ▲1000 | ▲2600 | ▲2600 | ▲2600 | |

自己株式として取得されることを予定して取得した株式が自己株式として所得された際に生ずるみなし配当については、益金不算入制度(外国子会社配当金不算入制度を含む)を適用しないこととする。
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       抱合せ株式とは、合併会社が保有する被合併会社の株式をいう。  | 
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      抱き合わせ株式の課税関係適格合併時
 非適格合併(現金交付なし)
 非適格合併(現金交付あり)
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財産法による清算所得課税は廃止され、通常の損益法による所得課税に移行する。
その際は、、期限切れ欠損金の損金算入制度の整備あり。
| 所得金額の区分 | 期限切れ欠損金 | |
| 現行制度 | 改正 | |
| 各事業年度の所得金額 | 所得金額から控除不可 | 同左 | 
| 精算所得金額 | 残余財産額から控除可 | 精算所得課税から通常の所得課税に移行するとともに、控除可 |